いま日本では、農家の高齢化や後継者不足によって耕作放棄地が増えています。
また、若い世代の農業者不足も農業を安定的に維持するうえで解決すべき重要な課題です。
同時に人口減少や過疎化がすすむことで地域の担い手がいなくなるという深刻な問題に直面しています。
一方、消費者側に目を転じると、食に対する関心は年々、高まっており、食の安心・安全、
さらにはスローライフに代表されるように食や生活が自然回帰に向かう傾向があります。
新規就農を考えると、課題は山積みですね。どこで? 何を? 農地は? 住居は? 技術は? 資金は? 支援は?等々。
“就農”とは“農業に就くこと”、作物の栽培に携わるとして、その取り組み方は有機農業、施設農業、最先端のIT農業など様々です。
また、中山間地と平地ではそれぞれの特徴、課題が異なります。
“農業とどのように関わるか”という視点に立てば、作物の栽培に始まり、流通・加工・販売、あるいは昨今、よく耳にする農業の六次産業化、さらに癒しや食育といった農業が持つ社会的機能、ビジネスとしてのアグリツーリズムや農泊、農業と福祉の連携など、その対象はとても広いことが分ります。
言い換えれば、いろいろな職種に“農的活動”を組み入れることが可能で、時代はそれを望んでいるのではないでしょうか。
“農業に就くこと”は多くの場合、地方へ向かうことになり、それは“地域に入り込むこと”を意味します。
そして、地域にはそれぞれの歴史、風土、伝統、文化が根付いています。
気候や土壌といった自然条件や栽培歴を理解することに加えて、“地域に受け入れていただく”ためには農家さんとのお付き合いや地元の方々とのコミュニケーションが大切で、生き抜く力が求められます。
就農活動中の方、農業技術習得の機会を求めている方、
海外活動を経験して国内地方へ向かおうと考えている方、
農学部を卒業したばかりの若い方、農業に関心をもっている方、
私たちはお一人おひとりの立場に立って、
国内各地で農業を営んでいる東京農業大学の卒業生や
地域に入り込んで活動している青年海外協力隊OB・OGのネットワークを活用して、希望に沿った道に向かえるよう、一緒に考えます。